未病=エビデンスの時代

いま、未病対策もエビデンスを問われる時代

効果がはっきりしない取り組みは 時間とお金を捨てるようなもの

結果があらわれなかったときの うちひしがれ感もはんぱない

そういうわけで、神奈川県西西部では、温養道ツアーの健康増進効果を

科学的に検証しました。

ツアー中全行程 すべてに薬膳料理、ファンゴ、温泉、森林浴などを取り入れて、公募で集まった40歳代の女性23名と2泊3日の県西部ツアーをおこないました

心理状態をあらわすPOMSテストの点数は、「怒りー敵意」、「混乱―当惑」 、「抑うつー落込み」、「疲労―無気力」、「緊張―不安」は有意に下がり、ポジティブな項目、「活気ー活力」は有意に向上しました。

これは、つまりツアー参加によりストレスが解消されて、気分がいい方向に改善されたわけです

次に、肩こりや生理痛などを感じている参加者も混ざっていたのですが、その痛みの点数も有意に減少しておりました。

これは、ツアー参加により、痛みが軽くなったという意味です。

最後に、腸内のフローラ。ツアー参加前と比較してClostridium 属のなかのcluster IVに分類された菌が有意に増加していました。本菌は、炎症抑制作用やアレルギーを抑える働きを持つ、人体の制御性T細胞を増やすはたらきがあるとされる菌に分類されており(つまり、アレルギーを起こす細胞が増殖するのを抑える)、アレルギー予防的な免疫力が上昇する可能性が示されたものと推測されます。

このようにいいことづくめの温養道ツアーですが、科学的には、不十分な証拠なのだ、ということを解説しましょう。(わたしは医学部の研究者です)

まず、このツアーの、ストレス解消、痛みの軽減、腸内環境改善には、温(温泉)、養(食事)、道(森林浴)のどれに、どの程度効果があったんでしょう?

総合的に効果があったのはたしかなのですが、温・養・道のそれぞれの効果が、いまひとつはっきりしません。

従って、これと似たようなツアーを計画しても、まったく同じ効果が得られる保証ができないことになります。

そこに、どのようなコースを巡るツアーを企画するかという、主催者のノウハウが生かされる、ともいえなくもないのですが、、、

また、アレルギー予防的な効果については、アレルギー患者とツアーを行い、その後、改善されたかという追跡調査をしなければ、明らかになりません。

これは、ぜひやってみたいと計画中です。

私は、アカデミアの人間ですから、より多くの人に効果を示し、しかも標準化された未病対策を提供できればなあとおもうところです。

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